Discordが2024年10月1日に実施したアップデートは、ユーザーエクスペリエンス向上を目的とした、多岐にわたる改善を含んでいます。今回は、AndroidとiOSにおけるパフォーマンス改善、新機能の追加、そして細かなバグ修正に至るまで、アップデートの詳細を徹底解説していきます。
モバイル版の進化:Android & iOS
今回のアップデートでは、モバイル版Discordに多くの改良が加えられました。特に注目すべきは、AndroidとiOSのパフォーマンス向上です。
Androidでは、チャットレンダラーの大幅な改善により、最大60%ものフレームレート向上が実現しました。これにより、チャット履歴のスクロールやメッセージの読み込みがよりスムーズになり、快適な操作性を実現しています。また、チャットリストのメモリ使用量も約12%削減され、アプリ全体の動作が軽快になりました。
iOSでは、デバイスのストレージ使用量を削減するため、データストアに手が加えられました。その結果、ストレージ使用量が多かった上位1%のユーザーにおいて、ディスク使用量が5.7GBから1.7GBへと大幅に減少しました。これにより、ストレージ容量の節約だけでなく、アプリの起動速度や動作の安定性も向上しています。
さらに、モバイル版全体で未読インジケーターの表示に関するバグが修正されました。これまでは、未読メッセージが多い場合にインジケーターが正しい位置に表示されないことがありましたが、今回のアップデートでこの問題が解消され、より正確に未読メッセージを把握できるようになりました。
デスクトップ版の進化:MacOS & サウンドボードUI
デスクトップ版でも、MacOSの画面共有UXの更新や、サウンドボードUIの刷新など、使い勝手を向上させるための変更が行われました。
MacOSでは、画面共有を開始する際のUXが、他のプラットフォームと同様のデザインに統一されました。視覚的により洗練されただけでなく、操作手順も分かりやすくなり、スムーズに画面共有を開始できるようになりました。
サウンドボードUIは、デスクトップ版全体で刷新されました。新しいUIは、よりモダンなデザインになり、サウンドのナビゲーションや操作がより簡単になりました。
新機能:アニメーションWebP対応 & URLリンク上書き
今回のアップデートでは、WebPフォーマットのアニメーション再生に対応しました。WebPは、従来の画像フォーマットに比べてファイルサイズが小さく、画質を維持したままスムーズなアニメーション再生が可能なため、帯域幅の節約と快適な視聴体験に貢献します。
また、URLリンクの上書き機能が追加されました。これまでは、テキストを選択してURLを貼り付けると、Markdown記法によってテキストがリンクに変換されていましたが、今回のアップデートにより、既存のURLを新しいURLに直接置き換えることができるようになりました。
その他の改善点
上記以外にも、多数のバグ修正や細かな機能改善が行われています。
- Electron 32へのアップグレードによるパフォーマンス向上とクラッシュの減少
- iOSにおけるメッセージ検索、NFCハードウェアキー、画面の向き検出に関するバグ修正
- PS5ゲームのアクティビティステータスの表示修正
- 学生ハブ、絵文字ピッカー、プロフィールカスタマイズ、GIFピッカー、ユーザーインターフェースに関するバグ修正
- チャット、アクティビティとアプリ、オーディオ/ビデオ、メディア、アクセシビリティに関する様々なバグ修正
Discordは、ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、常に進化を続けています。今回のアップデートも、ユーザーにとってより快適で使いやすいプラットフォームを提供するための取り組みの一環です。今後もDiscordは、ユーザーの声に耳を傾け、さらなる改善を続けていくことでしょう。